第2話 さまよえる仔羊

ハードボイルド日記

俺は昔から人を笑わせるのが好きだった。

言葉のチョイスのみで相手を笑わせるのが好きだった。

昔よくやった合コンなんかでは、ほぼ毎回言われる言葉がある。

『天然!!』

この言葉を言われると、俺は心でニンマリとほくそ笑む。

俺はいくらでも普通に受け答え出来るのだが、あえてそういう風に装っていたからだ。

魔法の言葉で満面の笑顔になる乙女たち

彼女たちには俺が本物の天然に映るらしい。

ただし、こんな俺でも勝てない相手がいる。

彼女たちに紛れ込んだ本物の天然記念物…やはり作られてないものには勝てないと思う。

結局、その子に毎回心奪われてしまうw

あるひとつの仮設を立ててみる

俺の武器は人とは違ったものの見方・捉え方・考え方が出来ること。

けど、普通の人はそんな考え方とかはしないらしい。

そもそもそんな発想が思いつかないらしい。

俺は『普通の人と違う』という根本的なことそのものが、天然として捉えられていただけではないだろうか。

人と違うということを演じてきたはずなのに、そもそも俺そのものだったということが強く俺にのしかかる。

幼なじみのナイスガイ

ナイスガイの前では、いつも普通にしているつもりだった。

一緒に車や単車いじったり、もちろん合コンにも行ったし、モンハンもしてるしw

そんな彼から言われたのだから、普通の人=定型発達の人たちから見るとやはり違和感があるのだろう。

昔、彼も交えた食事の席で相手をひどく怒らせたことがある。

相手が怒った理由が全くわからず彼に尋ねたが、正直全く理解出来なかった…

きっと俺には知らず知らずのうちにみたいなことが多々あるんだと思う。

今までの俺を否定する気分だった。

そして自分探しの旅に出ることになる。。。

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