第10話 パニックアタック

ハードボイルド日記

この頃に気付いたことがある。

一旦会社を離れると、気分が大分落ち着いているということ。

出先では普通にあいさつをして、なんなら世間話までしている。

眠れない夜は続いていたが仕事はこなせていた。

あの仕事さえ避けていれば、やっていけるささやかな自信がついた。

ただ、この時期も仕事は忙しくてストレスはすごくたまっていたと思う。

今の上司は、やる気のない人には仕事を回さないタイプで、俺には結構仕事をまわしてくれていた。

俺が出来なくなった仕事が、売り上げがデカい仕事だったこともあったからだと思う。(うちの会社は歩合制)

正直、有難迷惑だったw

そのストレスのはけ口はもちろんお酒w

鉄男に付き合ってもらったりしていた。

鉄男 ep1

鉄男との付き合いは四半世紀。

飲み友達である。

俺は鉄男を裏切れない。

出会って間もない俺にそれなりの金額を貸してくれたから。

貸してくれと頼む方もおかしいが、二つ返事で貸してくれた方もどうかしてるw

もちろん給料日にすぐ返した!

後々鉄男に聞いたのだが、なぜあの時お金を貸してくれたかというと

「お前ならすぐ返してくれると思ったから」

だそうだ…

その後もお金のない俺をいろいろと飲みに連れて行ってくれた。

この恩は一生忘れない…多分w


自分では落ち着いて仕事をこなしていたつもりだったが、その日は不意に訪れた。

仕事中、久しぶりにパニックに陥ってしまった。

その日の仕事は時間に追われるような状況で、リフトマンにきつめに当たってしまった記憶がある。

その後一人で運転中にパニックになってしまった。

そして数日後、今度は急に仕事の予定が変わってまたしてもパニックになってしまった。

それまでは、緊張感のある仕事に携わった時にだけパニックになると思っていたのだが、実はいろいろな状況でパニックになり得ると知ってしまった。

仕事をすることに恐怖心を持つようになってきた。

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